2017.9.21 Thu
金正恩のもう一つの顔
――北朝鮮CEOとしての金正恩の成功 9月号から
金正恩は道化師ではないし、そのような見方にとらわれれば、北朝鮮とその指導者が突きつけている脅威を誤解することになる。特に、平壌とワシントンの緊張が高まりをみせているだけに、深刻な間違いを犯すことになりかねない。道化師の独裁者としてではなく、むしろ、金正恩を「北朝鮮株式会社を引き継いだ新しい最高経営責任者(CEO)」と考えるべきだろう。(カン)
冷戦後に勝利を収めた経済システムがあるとすれば、それは欧米が世界へと広げようとした資本主義ではない。縁故主義だ。世界的な広がりをみせた縁故主義は、途上国、新興国だけでなく、アメリカやヨーロッパにも根を下ろした。。一見すると開放的なアメリカの経済システムも、長期にわたって維持されてきたレッセフェールの原則からますます離れ、純然たる縁故主義へと近づきつつある。(カラム)
トランプ大統領と側近たちは、「政府内部の後方撹乱者たちによる裏切り」と彼らがみなす行動に憤慨し、政治学の専門用語を借用して、「自分たちは国家内国家の(クーデターの)犠牲にされている」と主張している。だが「国家内国家」という表現でアメリカの政府機関を表現するのは的外れだろう。問題は、自分が率いているはずの政府機関の多くをトランプがあからさまに軽視し、予算に大ナタを振るい、規制ルールを廃止し、通常の手続きを踏むことを拒絶していることにある。(マイケルズ)