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2017.8.10 Thu
トランプと戦争
――アメリカ vs. 北朝鮮
歴史を顧みれば、トランプのような指導者が市民の不満を追い風に権力を握り、敵を屈服させると約束しつつも、軍事、外交、経済上の紛争の泥沼にはまり込み、結局は後悔することになったケースは数多くある。核合意を解体し、中国との貿易戦争を始め、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル実験を力尽くで阻止すれば、そのすべてが紛争へとエスカレートしていく恐れがある。トランプの常軌を逸したスタイルと対決的な政策が、すでに不安定化している世界秩序を崩壊させ、アメリカがイラン、中国、北朝鮮との紛争へと向かっていく恐れもある。(ゴードン)
金正恩は「父親と祖父が数十億の資金と数多くの人命をつぎ込んできた核の兵器庫を完成させることで、自分の政治的正統性が確立される」と考えている。仮に核の解体に応じるとすれば、体制の存続そのものを脅かすような極端な圧力のもとで、それに応じざるを得ないと考えた場合だけだろう。北朝鮮の非核化を平和的に実現する上で残された唯一の道筋は「核を解体し、改革を実施しない限り、滅亡が待っている」と平壌に認識させることだ。(スタントン、リー、クリングナー)
「すべての提言は、平壌の選択次第で北朝鮮にどのような帰結が待ち受けているかを明確にするとともに、中国の北朝鮮への認識を変化させることを意図している。」(マウント)
「中国との協調を模索しつつも、アメリカ、韓国、日本の3国間関係を強化しなければならない。リポートでは、1国への攻撃であっても自国が攻撃されたとみなす(北大西洋条約機構型の)集団安全保障態勢が必要になると提言した。」(ナン)
「現政権の政策と今回のリポートが示す政策の大きな違いは、経済制裁の成果を待って、その後、交渉に移るのではなく、交渉と制裁を同時に試みる必要があると提言したことだ。」(マレン)
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トランプと戦争
――イラン、中国、北朝鮮との戦争シナリオを考える2017年5月号 フィリップ・ゴードン 米外交問題評議会シニアフェロー
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北朝鮮に対する強硬策を
―― 外交やエンゲージメントでは問題を解決できない2017年6月号 ジョシュア・スタントン 弁護士 サン=ヨン・リー タフツ大学フレッチャースクール 教授 ブルース・クリングナー ヘリテージ財団 シニアリサーチフェロー
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CFR Events
次期米大統領への政策提言
CFR北朝鮮問題タスクフォース2016年11月号 マイケル・マレン タスクフォース共同議長、サム・ナン 元米上院議員 核脅威イニシアティブ共同理事長 タスクフォース共同議長、アダム・マウント アメリカ進歩センター・シニアフェロー タスクフォースディレクター プレサイダー、ジュディ・ウッドラフ PBSニュースアワー アンカー