multitel / Shutterstock.com
2017.8.1 Tue
ドイツにおける核武装論争
―― なぜ核武装は危険思想なのか
8月号プレビュー
ヨーロッパが「敵対的なロシア」と「無関心なアメリカ」の板挟みになれば、ベルリンはヨーロッパを政治的に守るだけでなく、軍事的に防衛することを求める大きな圧力にさらされる。だが、この国の核武装には「ドイツ問題」という歴史問題が関わってくるだけでなく、EUを中核に据えてきた戦後ドイツの国家アイデンティティそのものが揺るがされる。しかも、ドイツが核戦力をもてば、EUとロシアの関係が不安定化するだけでなく、他の諸国が核開発を試みる核拡散の連鎖が生じる。(クーン、ボルペ)
ワシントンが日韓への防衛コミットメントを続けるかどうか迷い始めれば、両国を核武装へと向かわせるかもしれない。ワシントンはそれを許容することも考えるべきだろう。日韓が核抑止力を手に入れれば、ワシントンは自国の防衛に向けて戦力を再編できる。ソウルと東京が北朝鮮に対抗する兵器を開発するのを決意するのであれば、それを許容することをワシントンが検討しないのは愚かだろう。(バンドウ)
アメリカが前方展開軍を維持し、核の傘を提供し続ける限り、日韓が核武装に踏み切ることはあり得ない。だが、米軍が朝鮮半島から撤退するとなれば、話は違ってくる。(ヒューシー) 北朝鮮が公然と核実験を行った場合、これに対して真っ先に核武装化に踏み切るのは、韓国ではなく、日本だろう。最初に倒れるドミノが日本、そして次がおそらく韓国になるだろう。(ファーガソン)
-
ドイツにおける核武装論争
―― なぜ核武装は危険思想なのか2017年8月号 ウルリッヒ・クーン カーネギー国際平和財団 核政策プログラムフェロー トリスタン・ボルペ カーネギー国際平和財団 核政策プログラムフェロー
-
日韓の核開発をアメリカは容認すべきか
―― 核の傘から「フレンドリーな拡散」へ2016年9月号 ダグ・バンドウ ケイトー研究所シニアフェロー
-
核拡散問題を検証する
――日韓は北朝鮮の核にどう反応するか 2005年6月号2005年6月号 スピーカー ピーター・ヒューシー/米国防大学基金シニア・アソシエート チャールズ・ファーガソン/米外交問題評議会フェロー 司会 カーラ・ロビンス/ウォールストリート・ジャーナル外交担当チーフ・コレスポンデント