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2017.7.7 Fri
G20のアジェンダ
―― 北朝鮮危機と米中ロ関係
外交やエンゲージメントがことごとく失敗してきたのは、平壌が核の兵器庫を拡大していくことを決意しているからに他ならない。あと少しで核戦力をうまく完成できるタイミングにあるだけに、平壌が核・ミサイル開発プログラムを断念するはずはなく、交渉を再開しても何も得られない。北朝鮮の非核化を平和的に実現する上で残された唯一の道筋は「核を解体し、改革を実施しない限り、滅亡が待っている」と平壌に認識させることだ。(スタントン、リー、クリングナー)
アメリカとロシアの対立の根は深い。ドナルド・トランプはキャンペーン中も大統領選で勝利した後も、「なぜロシアとうまくやれないのか」と問いかけてきたが、うまくやれないのは、双方が国益の基礎をなすと考える中核問題をめぐって双方の立場の隔たりが大きいからだ。ロシアによる勢力圏の主張はワシントンには受け入れられないし、「欧米によるロシア勢力圏の侵食」とモスクワがみなす動きへの反発も障害となる。(ルマー、ソコルスキー、ワイス)
国内の不安定化を心配し始めた習近平は、(不満の矛先が政府ではなく、外に向かうように)国内のナショナリズムを鼓舞するような対外強硬路線をとり、一方で、国内における反政府運動の兆候があると、直ちにこれを粉砕している。この状況でトランプ政権が北京を挑発する路線をとれば、民衆に弱腰だとみなされることを警戒する北京は、台湾とアメリカに痛みを伴う経済懲罰策をとり、台湾海峡あるいは南シナ海で挑発的な軍事行動に出る恐れがある。(シャーク)
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北朝鮮に対する強硬策を
―― 外交やエンゲージメントでは問題を解決できない2017年6月号 ジョシュア・スタントン 弁護士、サン=ヨン・リー タフツ大学フレッチャースクール 教授、ブルース・クリングナー ヘリテージ財団 シニアリサーチフェロー
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ロシアとの和解という虚構
――トランプとロシア2017年3月号 ユージン・ルマー カーネギー国際平和財団シニアフェロー、リチャード・ソコルスキー 同財団シニアフェロー、アンドリュー・S・ワイス 同財団バイスプレジデント
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伝統的な対中政策への回帰を
―― トランプと中国2017年3月号 スーザン・シャーク カリフォルニア大学サンディエゴ校 21世紀中国センター議長