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2017.7.3 Mon
ミンダナオ島危機とイスラム国
―― アジアのジハード主義とイスラム国
貧困や失業に苦しみ、イスラム教徒が社会の周辺に追いやられているミンダナオ島では、フィリピン軍とイスラム主義者や共産主義者などの反政府勢力が衝突する流血の惨事が数十年にわたって繰り返されてきた。・・・。一方で、テロ勢力という共通の敵が現れたことでアメリカとの関係が前向きに変化していることにも目を向けるべきだ。ワシントンがマニラの人権問題に懸念を表明するのを控え、マニラが共通の敵に対するワシントンの軍事支援を受け入れるにつれて、両国政府の立場の違いはゆっくりとだが、着実に埋められつつある。・・・・(ヘイダリアン)
多元主義や民主主義をめぐる世界の模範と言われたインドネシアで、いまやこの国の寛容さ、多元主義、民主主義のすべてが試練にさらされている。・・・2019年の大統領選に向けて、イスラム主義者たちは今回よりもさらに大規模な反動を巻き起こそうと、反中感情、反共産主義感情、そして格差に対する不満のすべてを利用しようと試みるだろう。(ジョーンズ)
実際には、イラクやシリアのイスラム国指導者たちは、現状では東南アジアを拠点として重視していないし、イスラム国のイデオロギーが東南アジアで支持されているわけでもない。・・・だが本当の危険は、イスラム国の出現によって、インドネシア国内のジハード主義集団や過激派のネットワークに、フィリピンやマレーシアの過激派が参加し、さらなる社会暴力が引き起こされることだろう。(リョー)