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2017.7.27 Thu

中国債務危機のグローバルな衝撃
―― 「政治的」サプライサイド改革の限界 8月号プレビュー

中国企業の債務レベルは、GDP比170%と、危険水域に突入しつつある。危機を回避しようと北京は中国流ポリシーミックスをとっているが、最終的にはより深刻度を増した債務問題に直面することになり、その余波は世界に及ぶだろう。北京が危機の先送り策をとっているのは、国有企業が倒産すれば、金融も政治も社会も不安定化することを恐れているからだが、債務の肥大化を放置すれば、共産党の支配体制だけでなく、世界経済を大きな危険にさらすことになる。(カンパネッラ)

これまで中国政府は、主要銀行の不良債権が経済に悪影響を与えないようにベイルアウトや簿外債務化を試み、一方、地方の銀行については、地方政府が調停する「合意」で債務危機を抑え込んできた。だが、もっともリスクが高いのは地方政府そして国有企業が抱え込んでいる膨大な債務だ。しかも、債務の返済に苦しむ借り手は今後ますます増えていく。中国が債務問題を克服できなければ、中国経済に壊滅的な打撃を与える危機が起きるのは避けられなくなる。(チェン)

北京が過剰生産能力を削減する主要なツールとして、中国の国有企業(SOE)改革を利用していくのは明らかだろう。中国のSOE改革とは、赤字国有企業を売却、清算するだけで、北京は利益をあげている国有企業についてはこれまでの関係を維持していくつもりだ。「政治的に正しい」立場をとる国有企業は法外な富を得て、「政治的に間違った」立場をとる者たちは政治腐敗の罪に問われ、失脚することになるだろう。(バボネス、ストーン)

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