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2017.6.29 Thu
インドネシアを切り裂く民族・宗教政治
―― 脅かされる多元主義と社会的調和
多元主義や民主主義をめぐる世界の模範と言われたインドネシアで、いまやこの国の寛容さ、多元主義、民主主義のすべてが試練にさらされている。現職の知事としてジャカルタ州知事選に出馬したキリスト教徒の中国系インドネシア人、バスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック)は、(イスラム教を冒涜したと)イスラム主義強硬派に攻撃され、選挙に敗れただけでなく、5月初旬に宗教冒涜罪で起訴され、投獄される事態となった。(ジョーンズ)
インドネシアは世界で3番目に大きな民主国家で、世界最大のイスラム教徒人口を抱えている。(イスラム)過激主義に対処していくには、経済的格差・不公正の問題に取り組んでいかなければならない。ソロとジャカルタでの経験から私はこれを教訓として学んでいる。政府がより多くの権限を民衆に委ねれば、過激主義は下火になるし、そうなることをインドネシア市民は願っている。われわれはさまざまな経験を積んできた。インドネシアはイスラム政治勢力への軍事的アプローチだけでなく、ソフトアプローチも試みてきた、何が正しく、何が間違っているかを(イスラム教徒に)教えるプログラムもある。(ウィドド)
ジェマ・イスラミアとインドネシアのイスラム国支持派の対立は良く知られている。だが、・・・分裂している親イスラム国支持グループを連帯させようとする動きもある。だが本当の危険は、イスラム国の出現によって、インドネシア国内のジハード主義集団や過激派のネットワークに、フィリピンやマレーシアの過激派が参加し、さらなる社会暴力が引き起こされることだろう。(リョー)