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2017.3.29 Wed
米中という二つのリビジョニスト国家
―― 米中は何処へ向かうのか
非自由主義諸国は、民主化を求めるアメリカの大戦略が本質的に現状のトランスフォーメーション(大変革)を重視していることに大きな脅威を感じている。問題は、アメリカの外交エリートたちが、多くの場合この点を認識していないことだ。現実には、アメリカと中国はともに現状の変革を求めるリビジョニスト国家なのだ。ワシントンは今後も民主化を促進すべきだが、その大戦略が他国をひどく脅かす可能性があることを十分に認識する必要がある。(リンド )
今後ほとんどの国際機関で、新興国の発言力が強化されるにつれて、自由主義的な価値をもつ欧州諸国の発言力は低下していく。但し、中国に現在の国際システムを全面的に覆すつもりはない。むしろ、現在のシステム不備補完を試みている。その結果、アジアは2030年までに、アメリカが台頭する前に存在した統合された大陸、つまり「アジア太平洋」ではなく「アジア」になっていく可能性が高い。(ファイゲンバーム)
世界をグローバルスタンダードで統一しようとする「グローバリズム」のビジョンは、アメリカの中間層の多くにダメージを与えた。中国の指導者たちはこの現実を適切にとらえ、対応する必要がある。幸い、中国の考えは、主権国家を重視し、多国間ルールよりも二国間合意を重視するトランプのビジョンに基本的にうまく重なり合う。(リ)