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2017.3.28 Tue
アングロスフィア(英語圏諸国)」の未来
―― 文化ナショナリズムと秩序の再編
「今日の世界が非常に均質的な(西洋)文明で覆われているのは、リベラルな資本主義社会が自らの志向を世界の他の地域に押しつけたからだ。……世界の多くの国々はこの現実に強く反発し、その結果、現在、秩序が不安定化している。……この嵐は、近代化の途上にあった西洋を震撼させ、大きな混乱と犠牲を伴った嵐以上に大きくて足が速く、大きな混乱を引き起こす力を秘めている」(ハリス)
イギリスの政治階級は、バックミラーを見ながら、将来を考えようとしている。このために、変化する世界におけるイギリスの地位について考えることができずにいる。この現状の根底にあるのは、国家アイデンティティの危機だ。イギリスの衰退を覆すには、未来から現在を捉える必要がある。ロンドンは、イギリスのことを「グローバル化を促進するとともに、その問題に対処していくことを目的とする思想と議論を提供し、橋渡し役を担う存在にすること」を考えるべきだ。(マーチン )
いまや世界はノスタルジックなナショナリズムに覆われている。紛争が起きやすい環境だ。しかし一方で、過去への郷愁が国家間協調を促すこともある。この文脈で、プライドを捨てきれないイギリス人の多くにとっての積年の夢、「アングロスフィア(英語圏諸国)」の再形成が次第に現実味を帯び始めている。これをきっかけに、世界は文化を共有するコミュニティへ分かれていくかもしれない。(カンパネッラ、ダッス)