Focal Points

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2017.3.16 Thu

脅かされるリベラルな秩序
ーー反コスモポリタニズムの反乱

ジャクソニアンはコスモポリタン・エリートのことを、「アメリカやその市民を第1に考えることを道徳的に疑問視する、国に反逆的な連中」とみている。ジャクソニアンがアメリカのグローバル関与路線を敵視しているのは特定の代替策を望んでいるからではない。むしろ、外交エリートに不信感をもっているからだ。そして彼らは、「トランプは間違いなく自分たちの側にある」と考えている。(ミード)

「他者」を特定することで、誰が仲間で、誰がそうでないかを区別する心理的ルールが育まれ、これによって国も社会も集団も連帯する。一方で、そうした他者がいなくなれば連帯は分裂し始める。問題は、多くの人が他者を区別する心理がどの程度リベラリズムやグローバル化の脅威となるかを認識していないことだ。忍び寄る非自由主義の脅威を食い止めるには、われわれは他者化の必要性が存在しないふりをするのではなく、その必要性にいかに対処するかを考える必要がある。(コルガン)

これまで世界の民主主義空間を拡大させてきたリベラルな国際秩序が、政治的な勢いを取り戻せる見込みはあまりない。格差と失業に悩む現在の欧米諸国は弱体化し、もはやリベラルな政治経済システムの強さを示すシンボルではなくなっているからだ。それでも孤立主義に傾斜したり、代替秩序の封じ込めを試みたりするのは間違っている。希望は、「リベラルな国際政治秩序」は衰退しても、「リベラルな国際経済秩序」が生き残ると考えられることだ。(ニブレット )

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