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2017.3.14 Tue
トランプと米欧関係の未来
――ドイツが主導するヨーロッパの防衛強化
ドナルド・トランプは北大西洋条約機構(NATO)を「時代遅れ」とけなし、欧州連合についても「ドイツのためのツールと化している」と、まるでその解体を支持するかのような発言をしている。これにヨーロッパはどう対処するだろうか。トランプを「異質な他者」とみなし、ヨーロッパは団結できるだろうか。それとも、彼の発言はヨーロッパのポピュリスト勢力を勢いづけるだけなのか。
トランプのアメリカがグローバルなリーダーシップからまさに手を引こうとし、イギリスが欧州連合(EU)からの混乱に満ちた離脱プロセスに足をとられるなか、リベラルな秩序と米欧関係の今後を心配するヨーロッパ人やアメリカ人の間では、アメリカに代わってドイツが「リベラルな秩序」のリーダーになるのではないかと期待されている。
欧州統合プロジェクトの設計者たちが欧州連合(EU)の現状をみれば、さぞや落胆するだろう。1950年代にエリートたちがヨーロッパ経済共同体(EEC)を創設したのは「第二次世界大戦後のヨーロッパで国民国家システムを再生するためだった」からだ。
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トランプと米欧関係の未来
―― トランプの脅威は欧州の連帯を促すか2017年3月号 キャサリン・R・マクナマラ ジョージタウン大学教授(政治学)
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ドイツが主導するヨーロッパの防衛強化
―― ベルリンに何ができるか2017年3月号 ステファン・フローリック トランスアトランティック・アカデミー シニアフェロー
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ブレグジット後のヨーロッパ
―― 統合の本来の目的に立ち返るには2017年3月号 melis / Shutterstock.com ブレグジット後のヨーロッパ ―― 統合の本来の目的に立ち返るには マティアス・マタイス ジョンズ・ホプキンス大学 高等国際関係大学院(SAIS)助教(国際政治経済学)