2017.12.20 Wed
【12月号より】
ロシアの軍事的復活と地政学的野望
―― 偶発戦争を回避するには、ほか
軍備を増強し、軍事態勢を刷新したモスクワは「ロシアは再び重要な国となり、国際社会が無視できない存在になった」と、新たに自信をもち始めている。プーチンは、近隣諸国を脅かし、北大西洋条約機構(NATO)を弱体化させようと、ロシア軍の近代化を大がかりに実施し、公然と軍事力を使って既成事実を作り上げつつある。・・・(ダールダー)
習近平思想は一見意味のないスローガンにしか思えないかもしれない。だが、よく調べてみると、彼の言う「中華民族の偉大な復興」のための統合計画が浮かび上がってくる。習近平思想とは、「共産党を中心とする中国の民族国家形成に向けたプロジェクト」なのだ。これは軍事力の増強を後ろ盾に中華民族の偉大なる復興を目指していくという計画に他ならない。・・・(バポネス)
権威主義国家の対外的世論操作プロジェクトは、ソフトパワー強化を目指した広報外交ではない。これをシャープパワーと呼べば、それが悪意に満ちた、攻撃的な試みであることを直感できるだろう。その目的は民主国家の報道機関に(自国に不都合な情報の)自己規制(検閲)を強制し、情報を操作することにある。・・・(ウォーカー、ルドウィッグ)