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2017.11.17 Fri

クルド人の夢と挫折
―― クルドとイラクが歩み寄る余地はあるか

イラクのクルド人が独立国家を作り、それを維持することに成功すれば、イランは非常に大きな余波にさらされる。イラン国内のクルド人の分離独立の動きが刺激されるからだ。これが、国内の他の少数民族を独立に向けた動きに駆り立てる恐れもある。しかも、イラク北部からイラン西部にかけてのクルディスタン地域はほぼ自由に移動できるだけでなく、言語とメディアを共有している。それだけに、イラクにおけるクルド独立運動がイランに政治的余波をもたらす可能性は高い。 ・・・(タバタバイ)

これまでクルドの独立に曖昧な態度しか示してこなかった近隣諸国とアメリカも、クルドの住民投票に向けたプロセスが進むにつれて、自国の立場を明らかにせざるを得なくなった。トルコとイランはイラクと共に、住民投票に激しく反対した。アメリカも反対だった。一方、イスラエルは周辺地域で唯一、賛成を表明し、ヨルダンは控えめながらも賛同の立場を表明した。・・・(ダレイ)

第一次世界大戦後にオスマントルコが分割された結果、帝国内では大きな民族グループだったクルド人の居住地域はトルコ、イラン、フランス委任統治領シリア、そしてイラクの四つの国へと分散・分割された。その後も各国のクルド人、特にイラクのクルド人は自分たちの地域の分離独立という夢を追い続けた。いまや、彼らはイラクとトルコの間で揺れ動いている。だが、クルド人が思い描く独立国家の夢はまたしても先送りを余儀なくされそうだ。・・・(ヒルターマン)

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