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2017.11.15 Wed
【論争】 中国経済をめぐる欧米の誤解
――債務、貿易、政治腐敗
欧米における経済概念が、開放的で自由な市場における企業間競争を前提としているのに対して、中国経済では、地方政府が経済プレイヤーとして、競争的な経済環境の一翼を担っている。北京が設定する広範な基準や政策は、伝統的な経済思考に合致するものではない。これらの要因を分析にとり入れなければ、中国で起きていることを誤解することになる。貿易と政治腐敗についても、欧米の対中認識には問題がある。・・・(ファン)
これまで中国政府は、主要銀行の不良債権が経済に悪影響を与えないようにベイルアウト(救済融資)や簿外債務化を試み、一方、地方の銀行については、地方政府が調停する「合意」で債務危機を抑え込んできた。だが、もっともリスクが高いのは地方政府そして国有企業が抱え込んでいる膨大な債務だ。中国が債務問題を克服できなければ、今後の道のりは2008年当時以上に険しいものになり、中国経済に壊滅的な打撃を与える危機が起きるのは避けられなくなる。・・・(チェン)
中国企業の債務レベルは、対国内総生産(GDP)比170%と、歴史的そして世界的にみても、危険水域に突入しつつある。危機を回避しようと北京は中国流サプライサイド改革、つまり、生産制限と(極端に安い融資を通じた)需要管理策を組み合わせたポリシーミックスをとっている。北京が危機の先送り策をとっているのは、国有企業が倒産すれば、金融も政治も社会も不安定化することを恐れているからだが、債務の肥大化を放置すれば、共産党の支配体制だけでなく、世界経済を大きな危険にさらすことになる。・・・(カンパネッラ)