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2017.10.30 Mon
【11月号プレビュー】
スターリンとヒトラー
――二十世紀を分けた独裁者の思想と地政学戦略、ほか
地政学をゼロサムで捉え、ソビエトとイギリスの双方を粉砕する必要があったヒトラーの選択肢は、スターリンとの不可侵条約をさらに深化させて、大英帝国のすべてを手に入れる作戦に乗り出すべきか、ターゲットをソビエトに据え、大英帝国の攻略を後回しにすべきか、というものであった。一方、スターリンは、軍備増強路線で戦争に備えつつも、ドイツがイギリスとの対決へと向かうような環境を作り出そうとしていた。彼は、物資供給を必要としているドイツが、その供給を途絶えさせるソビエトとの戦争を開始するのは自滅的だと読んでいた。・・・(コトキン)
「何が普通の国なのか」について、ロシアにはいまもコンセンサスが存在しない。大多数のロシア人がプーチンを支持しているとはいえ、支持者の半分はスターリンを嫌い、残りの約半分はスターリンに心酔している。これはスターリンとは違うからプーチンを支持する人もいれば、スターリンと似ているからプーチンを支持する人もいることを意味する。・・・(ゲッセン)
この14年間、ワイマール共和国の政府要人、あるいはビジネスの指導者として世界が見聞きしてきた人々は忽然と表舞台から姿を消した。例外はあるが、この波は大きなうねりとともに社会を飲み込み、連日のように、一人ずつ、昔日の指導者や仲間たちがナチスという暗黒の海にさらわれていく。このうねりは、命令を下す叫び声や行進の足音で途切れた悪夢よりも、めまぐるしいペースで社会を飲み込んでいる。・・・(アームストロング)