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2017.10.3 Tue

メルケルのトランプジレンマ
―― 自立への道をいかに切り開くか 10月号プレビュー

ここにきて、より積極的な行動をとるようになったものの、ドイツは基本的に世界でリーダーシップをとるのを嫌がってきた。しかしいまや、繁栄の基盤であるリベラルな秩序の維持を望むのなら、行動を起こす以外に道はない。ドイツは、自由貿易体制を支えるためにより多くを試み、自国の安全保障へのより大きな責任を引き受け、ヨーロッパがより踏み込んだ経済改革を行うようにリーダーシップを発揮しなければならない。メルケルは、反トランプ感情が支配的なドイツで、アメリカとの実務的関係を維持しつつ、この難題をこなしていかなければならない。(ティール)

ドイツが国際舞台で新たな役割を果たすことを望んだわけではない。むしろ、世界が大きく変化するなか、安定を保ち続けたドイツが中心的なプレイヤーに浮上しただけだ。いまやドイツはヨーロッパ最大の経済国家に見合う国際的責任を果たそうと試みている。それでもドイツは過去を踏まえて慎重に考える国家だ。変化に適応しながらも、自制や配慮を重視する信条と外交を重視していくことに変わりはない。過去を必要以上に償おうとしているのではない。むしろ、過去を踏まえて慎重に考える国家として、ドイツは歴史の教訓を現在の課題へのアプローチに生かそうとしている。(シュタインマイアー)

トランプが、アメリカの同盟国と多国間機構、そして国際協定に深刻なダメージを与える事態に備える必要がある。変化に対応する最善の方法は、ドイツが国防能力を強化し、明白な原則に基づいてワシントンに接することだ。ヨーロッパの混乱ゆえに、できることは限られているが、ドイツはダメージコントロールを試み、NATOを含む大西洋同盟や国際機構をトランプ政権から守ることを再優先にすべきだろう。(ベナー)

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