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2017.1.4 Wed
民主主義はいかに解体されていくか
―― 21世紀は権威主義的資本主義大国の時代になるのか
ポピュリストの指導者が主導する民主体制の解体ペースがゆっくりとしたものであるために、広範な反対運動を刺激するような劇的な展開はなく、反政府勢力を団結させるようなはっきりとした争点も浮かび上がってこない。(テイラー、フランツ)
現在の中国とロシアは、日独が第二次世界大戦に敗れた1945年以降、姿を消していた権威主義的資本主義パワーの再来にほかならない。日独の場合、アメリカを相手にするには、人口、資源、潜在力があまりに小さすぎたが、中国とロシアは、日独よりもはるかに国家規模が大きいし、そもそも、権威主義体制下の資本主義のほうが民主体制下の資本主義よりも効率が高い。(ガット)
極端に私物化された政治体制が世界各地に出現している。(プーチンのロシアや習近平の中国など)広く知られているケースを別にしても、バングラデシュからエクアドル、ハンガリーからポーランドまでの多くの諸国で権力者が自身に権力を集中させようと試みている。権力者個人に権力を集中させる政治システムは、冷戦終結以降、顕著に増加しており、この現象は大きな危険をはらんでいる。(テイラー、フランツ、ライト)
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民主主義はいかに解体されていくか
―― ポピュリズムから独裁政治への道2017年1月号 アンドレア・ケンドール・テイラー 国家情報会議・副国家情報官 エリカ・フランツ ミシガン州立大学准教授
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Classic Selection
21世紀は権威主義的資本主義大国の時代になるのか2007年8月号 アザル・ガット テルアビブ大学教授
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新しい独裁者たち
―― なぜ個人独裁国家が増えているのか2016年11月号 アンドレア・ケンドール=テイラー 米国家情報会議・副国家情報官 (ロシア・ユーラシア担当) エリカ・フランツ ミシガン州立大学助教授(政治学) ジョセフ・ライト ペンシルベニア州立大学准教授(政治学)