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2016.10.28 Fri
アメリカの政治的衰退か刷新か
ーー なぜ欧米でポピュリズムが台頭したのか
欧米世界ではポピュリズムが着実かつ力強く台頭している。先進国が直面する低成長や移民流入が作り出す問題に慎重に対処していくには、一連の対策を通じて、全般的に少しずつ状況を改善させていくしかない。しかし、有権者はより抜本的な解決策とそれを実施できる大胆で決意に満ちた指導者を求めている。・・アメリカ人の多くは、トランプ現象は特有のもので、より大きくて永続的なアジェンダを映し出しているわけではないと考えているが、それとは逆が真実であることを示す証拠が出揃いつつある。・・・(ザカリア)
社会階級がいまやアメリカ政治の中枢に復活し、人種、民族、ジェンダー、性的志向、地域差をめぐる亀裂以上に大きな問題として取り上げられている。とはいえ、ポピュリストの政策を実施すれば、成長を抑え込み、政治の機能不全をさらに深刻にし、事態を悪化させるだけだ。・・・必要なのは、大衆の怒りをすぐれた政治家と政策に結びつけることだ。(フクヤマ)
現在のアメリカ人は、終わりのない外国での戦争にうんざりし、格差に苛立ち、ビジネス・政治エリートたちに不信感をもっている。貿易を敵視し、対外介入を嫌がっている。したがって、次期大統領は貿易をめぐってはより強固な社会的セーフティネットを準備して、国際貿易批判に対する防波堤を築く必要がある。・・2016年のアメリカの政治を特有なものにしているトレンドが、近い将来に終わることはなく、むしろ現状はその入り口であることを認識する必要がある。(フォンテーヌ)