2016.09.30 Fri
核兵器と核戦略を問い直す
―― 何のための核兵器なのか、他
(10月号プレビュー)
進行しつつある世界政治の変化を十分に考慮できぬまま、われわれは依然として核兵器に固執している。抑止に大量の核兵器は必要ない。オバマ大統領が本気で核戦力の近代化計画を見直すつもりなら、「抑止に本当に必要なものは何か」を再検証しなければならない。核兵器がない状態を想定して、核戦争プランを根底から見直し、何のためにどれだけの核兵器が必要なのかを白紙から合理的に再分析すべきだ。(カプラン)
ブラジルでは、大統領が(有力)議員たちに「彼らが利害を共有する人物たちをパワフルな国有企業や規制当局の要職に任命する権限を与えて」甘い汁を吸わせることも多い。要職に就いた人物たちは、うまみの多い政府契約をどの企業が受注するかについて影響力を持つようになり、賄賂や政治腐敗絡みの入札決定から大きな利益を確保し、これを議会におけるパトロンと共有する。(メロ、スペクター)
北欧諸国は繁栄を遂げつつも、富を平等に分配し、優れた社会を実現しているようにみえるかもしれない。だが、そうしたイメージは誇張されている。北欧諸国の経済は民主社会主義(スカンジナビアモデル)に移行して以降よりも、それに先立つ市場経済時代の方が急速な成長を遂げていた。所得格差にしても、福祉国家が定着する前の段階でスウェーデンの所得格差は減少し始めていた。(サナンダジ)