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2016.08.29 Mon
アフリカの経済ブーム
―― なぜ楽観論と悲観論が
共存しているか
大陸全体でみても、一人あたり経済成長率は1990年末以降、プラスに転じている。状況が大きく改善しているのは経済だけではない。アフリカ諸国の多くは、1960年代に植民地からの独立を果たして以降初めて、複数政党制による選挙を経験し、いまや、市民的自由、報道の自由も大きく進展している。いったいアフリカに何が起きたのか。(ミゲル)
力強いマクロ経済政策を導入したアフリカ諸国は、グローバル経済危機前にピークを迎えていた資源ビジネスブームを追い風に成長を続け、ブーム崩壊後も、失速を逃れた。楽観主義者は、このトレンズに注目して、アフリカの経済ブームは今後も続くと考えている。だが、経済成長の多くが政治改革によって刺激されているのは事実としても、より永続的なアフリカ経済の変革を妨げる障害も政治領域にある。(デバラジャン、フェングラー)
中国は、スーダンやジンバブエなど、目に余る人権弾圧を行う「ならず者国家」に保護の手を差し伸べ、資源確保のために無条件で融資を提供してアフリカ諸国から改革の動機を奪っている。収益だけでなく、中国の国益の確保を目指す中国企業は採算度外視の入札を行い、他国の企業を締め出している。(レーク、ホイットマン、ライマン、モリソン)
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台頭するアフリカ
―― その経済ブームの秘密とは2012年1月号 エドワード・ミゲル カリフォルニア大学バークレー校 経済学教授
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アフリカの経済ブーム
―― なぜ楽観論と悲観論が共存しているか2013年6月号 シャンタ・デバラジャン/ 世界銀行チーフエコノミスト(アフリカ担当) ウォルフガング・フェングラー /世界銀行リードエコノミスト (エリトリア・ケニア・ルワンダ担当)
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アフリカでの影響力を模索する中国
2006年2月号 共同議長 アンソニー・レーク/元米国家安全保障問題担当大統領補佐官、 クリスティーン・トッド・ホイットマン/元米環境保護庁長官 プロジェクト・ディレクター、 プリンストン・N・ライマン/米外交問題評議会(CFR) シニア・フェロー(アフリカ担当)元駐南アフリカ、駐ナイジェリア米大使、 J・スティーブン・モリソン/米戦略国際問題研究所(CSIS)アフリカ担当ディレクター