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2016.07.13 Wed
中国の野望と大戦略
―― 中国による融資トラップとは
中国の対スリランカ投資プロジェクトは、アジア全域へ中国の貿易ルートを拡大・確保しようとする北京の一帯一路戦略の一環として進められている。・・・スリランカの対中債務が増えていけば、中国は債務の一部を株式に転換して重要プロジェクトを部分的に所有することもでき、この場合、中国はインド洋における新たな戦略拠点を確保できる。(スミス)
シルクロード構想は、アメリカのアジア・リバランシング戦略への対抗策として考案された。・・・しかし、この構想は、ロシアのユーラシア経済連合、インドの対外構想と直接的に衝突するし、結局は、アフリカや中東での紛争に引きずり込まれ、中国のパワーを時期尚早に広く薄く拡散させることになるだろう。(ストークス)
一連の構想によって中国の戦略ポジションは強化されていく。北京の高官の多くは、歴史的な朝貢システム、つまり、地域諸国が中国に依存するか、中国を恐れて服従するようなシステムを再現したいと考えているようだ。アジアの安全保障が中国の行動に派生する不確実性に満ちている以上、ワシントンは中国が越えてはならないレッドラインを示すべきだろう。(スミス)