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2016.05.16 Mon
流れは増税の先送りと財政出動へ
――アベノミクス、最後の賭
最近の政治環境からみれば、首相がこれまでの約束を反故にして、増税を先送りし、新たに財政出動を実施することへの支持を確保できるだろう。だがそれは、実際に経済を長期的に助け、短期的にも景気を刺激する効果のある公共事業投資を増やす、正しい財政出動でなければならない。そうできなければ債務を増やすだけに終わる。(ハリス)
結局、日本経済が自信を取り戻すには、有意義な構造改革を通じて停滞する日本企業の競争力を回復するしかない。そうしない限り、一時的な景気浮揚策も結局は幻想に終わる。問題は、安倍首相がもっとも重視しているのが経済の改革や再生ではなく、安全保障や歴史問題であることだ。(カッツ)
安倍政権が3本の矢を本当に利用するつもりなら、景気刺激策と金融緩和を、構造改革という困難で時間のかかる手術をするための麻酔薬として利用したはずだ。だが、日本政府は長期にわたって景気刺激策と金融政策を、痛みを感じないようにする麻薬として用いただけで、手術(構造改革)をしなかった。(カッツ)