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2016.04.20 Wed

流動化するシリア情勢
―― 軍事紛争と外交の間

ロシア軍のシリアからの撤収の決定はたんなる資金節約のためではないはずだ。ロシアのシリア介入コストは、年間10-20億ドル程度で、途方もない金額に達していたわけではない。だがより重要なのは、今なら、プーチンが中東の泥沼に引きずり込まれるリスクを冒すことなく、勝利を宣言できることだ。(マーチン、メノン)

ロシアによるグルジアとウクライナでの戦争、そしてクリミアの編入は、「ポスト冷戦ヨーロッパの安全保障構造から自国が締め出されている現状」に対するモスクワなりの答えだった。一方、シリア紛争への介入は「中東におけるロシアの影響力を再生する」というより大きな目的を見据えた行動だった。(ステント)

シリア紛争を政治的解決に導くために必要なのは、シリア人を分裂させている民間人への攻撃の停止を求め、その責任を負うべき人物を協議の場から外すことで、信頼醸成に取り組むことだ。そのためにも最終的にはアサドを退陣させ、「重大な人権の乱用への責任を負っている」と判断された者は、公職から追放すべきだ。(ロス)

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