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2016.04.18 Mon
もがき苦しむサウジ
―― サウジを襲う「パーフェクトストーム」
サウジの社会契約は石油の富による繁栄を前提にしており、(原油安が続き)民衆が望むレベルの繁栄を提供できなくなれば、政府は政治的に非常に困難な事態に直面する。これまで膨大な浪費を続けた国だけに、節約で一定の資金を手許に残せるが、最終的には、痛みを伴う是正策が必要になるだろう。(ハイカル)
スンニ派の盟主、サウジは追い込まれていると感じている。原油価格は低下し、財政赤字が急激に増えている。イエメンのフーシ派に対する空爆コストも肥大化し、イランが地域的に台頭している。サウジは、複数の嵐に同時に襲われる「パーフェクトストーム」に直面している。(ミラー、ブロッドスキー)
リヤドは宗派主義を政治ツールとして用いている。サウジにとって、イエメン、シリアでの紛争も思うようには展開していない。しかも、国内では経済問題を抱え、政治改革も行われていない。サウジが宗派対立や反イラン感情を煽るのは、こうした問題から民衆の関心をそらすためでもある。(マティーセン)
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流動化するサウジ
―― 原油、イラン、国内の不安定化2016年4月号 バーナード・ハイカル /プリンストン大学教授(近東研究)、カレン・エリオット・ハウス 前ウォールストリートジャーナル紙発行人
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サウジとイランの終わりなき抗争
―― 対立が終わらない四つの理由2016年2月号 アーロン・デビッド・ミラー ウッドロー・ウィルソンセンター 副会長 (ニュー・イニシアティブ担当)、ジェイソン・ブロッドスキー ウッドロー・ウィルソンセンター (リサーチアソシエーツ)
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CFR Interview
追い込まれたサウジアラビア2016年2月号 トビー・マティーセン / オックスフォード大学シニアリサーチフェロー