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2016.03.10 Thu
長期停滞にどう向き合うか
―― 現状を説明するのは流動性の罠か、長期停滞論か
いまや、途上国はホットマネーの脅威にさらされ、成熟した経済は「流動性の罠」という危機に直面している。実際、金利ゼロでも消費者が貯蓄に走り、企業も投資しないとすれば、一体どうなるのか。これこそが懸念される「流動性の罠」だ。日本は古典的な流動性の罠にはまり、もはや金利ゼロでも十分ではない。 (クルーグマン)
長期停滞論の見方に従えば、先進国経済は、貯蓄性向が増大し、投資性向が低下していることに派生する不均衡に苦しんでいる。その結果、過剰な貯蓄が需要を抑え込み、経済成長率とインフレ率を低下させ、貯蓄と投資のインバランスが実質金利を抑え込んでいる。この数年にわたって先進国を悩ませている、こうした日本型の経済停滞が、今後、当面続くことになるかもしれない (サマーズ)
地政学バランスはすでに東アジアへと傾斜しつつあるが、主役は日本ではない。うまくいけば傍観者として、最悪の場合にはその犠牲者として、日本は東の台頭を見つめることになるだろう。(マッドセン)