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2016.03.01 Tue
生産年齢人口の減少と経済の停滞
―― グローバル経済の低成長化は避けられない
出生率を上げたり、労働人口に加わる成人を増やしたりするため、各国政府はさまざまな優遇策をとれるし、実際多くの国がそうしている。しかしそれらが中途半端な施策であるために、労働人口の増大を抑え込む大きなトレンドを、ごく部分的にしか相殺できていない。結局世界は、経済成長が鈍化し、高度成長を遂げる国が少ない未来の到来を覚悟する必要がある。(シャルマ)
グローバルな人口爆発は、実際には、公衆衛生の劇的な拡大と改善によって実現した。実際、過去数世代における人口の爆発的な増大は死亡率の低下と公衆衛生の改善による平均余命の伸びに依るものだ。(エバースタット)
低い出生率は、先進世界の福祉国家体制だけでなく、国の存続そのものを脅かすことになる・・・出産奨励プログラムには大きなコストがかかるし、伝統的な家族の価値を支持する人々の怒りを買う恐れもある。だが、低出生率の罠にはまってしまえば、これまでとは不気味なまでに異なる人口減少という未知の時代へと足を踏み入れることになる。 (クレーマー)