中韓の関係修復と米韓関係
―― ミサイルと経済制裁と対米バランス
2017年12月号
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2017年10月末、中国外務省の華春瑩報道官は、中国が韓国に対して求めているのは「アメリカのミサイル防衛システムに参加しない。日米韓の安保協力体制を全面的な軍事同盟に進化させない。THAADの追加配備をしない」という三つの「不」へのコミットメントだとコメントした。それにしても、なぜ韓国政府はこのタイミングで対中和解を模索したのだろうか。THAAD導入によって(中国の経済制裁の対象にされ)大きな経済的損失が出ていることについての批判、そして中国とのより緊密な関係を求める国内圧力に配慮したのかもしれない。トランプの無責任な北朝鮮挑発路線を前に、中国との距離を狭め、アメリカから距離を置こうとしたのかもしれない。だがワシントンにとっては、中国との二国間関係の改善による短期的利益のために、韓国が未来の安全保障上のオプションを閉ざしてしまうとすれば、憂慮すべき事態だろう。・・・