縁故資本主義と中国の政治腐敗
―― 共産党は危機を克服できるか
2017年9月号
90年代以降、中国共産党が行政の分権化を進めた結果、地方政府のトップはかなりの自己裁定権をもつようになった。こうして地方官僚が個人的利得のために、国の資産と資源を用いる政治腐敗の無限大の機会が誕生した。安月給の役人が上司に賄賂を渡して、「おいしい」ポジションにつけてもらう巨大な売官市場も存在する。これには賄賂の「元手」が必要になるために、その影響は多岐に及び、しかもスキームに関わる誰もが、最終的に、自分の投資に対する見返りを期待する。この政治腐敗のネットワークが軍、司法、さらには中央の規制当局にまで及んでいる。共産党時代を超えて縁故資本主義が続き、中国の未来を不安定化させることになるのか。それとも、共産党はいつもの柔軟性と復元力を発揮するのか。見方は分かれている。・・・