クルド人とイラク北部の未来
――ペシュメルガ、シーア派武装集団、スンニ派系住民
2017年10月号
クルド人の武装組織・ペシュメルガがイスラム国勢力との戦いで勝利を収めた結果、2014年以降、クルディスタン地域政府(KRG)の支配地域は約40%拡大し、イスラム国後のイラク北部に対するクルドの影響力はかつてなく大きくなっている。これまでイラク・クルディスタンはそれぞれにペシュメルガを擁する二つのクルド系政治勢力によって二分されてきたが、さまざまなクルド人武装組織はこれまでよりも統合度を高めているようだ。問題は今後、かつてのイスラム国勢力を支持したスンニ派系住民の扱いをどうするかだ。イスラム国勢力の支持者たちも受け入れるようなシステマティックで透明性のあるプロセスを実施できるかどうかが問われている。これが実現しなければ、暴力の連鎖はさらにエスカレートしていく。・・・