人工知能と中国の軍事パワー
―― 戦場の「技術的特異点」とは
2018年1月号
今後数十年もすれば、人工知能(AI)が戦争の概念を変化させるかもしれない。2017年6月に中国電子科技集団は119台のドローンによる編隊飛行を成功させ、世界記録を更新した。紛争になれば、中国軍が安価なドローン編隊で、空母のように高価なアメリカの兵器プラットフォームをターゲットにするかもしれない。AIとロボティクスが戦争で広く応用されるようになれば、AIの急激な技術成長が刺激され、人間の文明に計り知れない変化をもたらす「シンギュラリティ=技術的特異点」が現実になると予測する専門家もいる。この段階になると、AIを導入した戦闘が必要とするスピーディな決断に人間はついていけなくなるかもしれない。軍は人間を戦場から引き揚げ始め、むしろ監視役に据え、無人システムに戦闘の大半を遂行させるようになるかもしれない。