権威主義国家の中国的特質
―― 中国流政治改革の教訓は何か
2018年6月号
欧米の専門家が期待するようなものではなかったにせよ、1978年に鄧小平が市場開放路線を導入して以降、中国ではかなりの政治改革が進められてきた。一党支配を放棄することなく、官僚組織に説明責任のルールや競争原理を導入し、権力の一部を抑制してきた。この民主的特質をもつ独裁体制のなかで、「政治を不安定化させずに、急速な経済成長を実現すること」が地方指導層に課せられた任務とされた。しかし官僚機構改革を、永遠に政治改革の代わりにはできない。いまや、より先へと進むためにはイノベーションが必要とされ、そのためには市民社会の巨大な創造性を解き放ち、それを活用しなければならない。しかし、持続的な成長のために政治的自由が必要とされているタイミングで、習政権は全く逆のことをしている。・・・