米中冷戦は避けられない
―― 貿易と国家安全保障
2019年9月号
北京にとって、経済成長は政治を支えるために必要であり、政治の目的は、内外における共産党政権のパワーを強化することにある。米司法省によれば、北京は中国企業に、米企業を含む外国企業の知的所有権を盗むように指示し、しかも中国の民間企業に、獲得したテクノロジーを軍と共有することを義務づけている。2015年に習近平が発表した軍民融合政策は、あらゆる民間企業に軍と協力することを求めており、これは、(外国企業にとって)中国企業とのビジネスがたんなるビジネスではないこと、つまり、ハイテク部門で中国企業と取引すれば、その意図にかかわらず、中国の軍事利益の強化に手を貸すことを意味する。政府の民間ビジネスへの干渉は良いことだとは思わない。しかし、この現実ゆえに、われわれは国家安全保障を市場経済政策よりも重視しなければならない。