バイデン政権で民主主義は再生するか
―― トランプと民主主義の危機
2020年12月号
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バイデン大統領の誕生で、アメリカの民主主義が負った深い傷が自律的に癒されるわけではないだろう。この4年間で、民主的規範は完全に放棄された。しかも、今回の選挙で予想外の支持を得たために、共和党は当面、トランプ流の非自由主義的ポピュリズムに支配されるかもしれない。現在のアメリカは民主的危機のさなかにある。アメリカの民主主義のバックボーンを守る薄くとも復元力のある盾、つまり、相手への寛容と自制の精神、民主的ゲームルールへの手堅いコミットメントが崩れそうになっている。新大統領が就任する2021年1月になってもアメリカの民主主義は依然として深刻な問題を抱えたままだろう。