民主世界と中国の冷戦
―― 北京との共存はあり得ない
2020年10月号
欧米の期待に反し、政治体制の締め付けを緩め、開放的政策をとるどころか、習近平は国内で異常なまでに残忍で抑圧的な政策をとり、対外的にもより攻撃的な路線をとるようになった。アメリカに代わって世界を主導する経済・技術大国となり、アメリカの東アジアでの優位を切り崩そうとしている。北京は、民主社会の開放性につけ込んで、相手国における対中イメージと政策を特定の方向に向かわせようと画策している。だが、北京は、中国市民を恐れている。自分たちが「社会の安定」と称するものを無理矢理受け入れさせるために大きな努力をし、国内の治安部隊やハイテク監視プログラムに数十億ドルを費やしている。共産党が絶対的な権力をもつ中国が、リベラルな民主世界が強く団結している世界において快適に共存できるとは考え難いし、民主世界が団結を維持できれば、中国が変わるまで、ライバル関係が続くのは避けられないだろう。