政治暴力の連鎖を防ぐには
―― トランプ銃撃事件と政治暴力リスク
2024年9月号
トランプは日常的に特定集団を侮辱し、政敵を「害虫」と呼び、移民をアメリカの「血を汚す」動物とさえ呼んだ。政治暴力そして大衆の暴力支持を煽り立てているのは、(政治指導者の)レトリックだけではない。文化、そして攻撃的な共和党系集団もそれを助長している。政治暴力を低下させる上で重要なのは、共和党が多元的で多民族の民主主義を受け入れる方向へ路線を見直すことだ。政治暴力への世論の許容度は党派を超えて高まっているが、右派はこの感情を現実に暴力行動に移す可能性がはるかに高い。実際、共和党が立場を見直さなければ、アメリカの政治的未来はこれまで以上に暴力的になる危険がある。