EMUは政治統合を促進する
1997年3月号
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EUの大多数の諸国にとって、「通貨同盟の究極の合理的根拠とは、それがより大きなヨーロッパ統合形成の政治的戦略に寄与するという点にある」。ヨーロッパ諸国の政府が通貨統合を目指しているのは、その政治的決意を示すためなのだ。EMUへの参加資格をもっているかどうかを決定する際、EUは、通貨同盟が生き残るチャンスがもっとも高くなるように考慮してマーストリヒト基準を(柔軟に)適用することになるだろう。つまり、最終的な決着は「政治判断」によってなされ、最終決定が一九九七年末までに達成された経済指標の数値にもとづいてなされることはないだろう。どの加盟国が通貨同盟の将来的義務を果たせると見込めるか、つまり、より大きなヨーロッパ統合形成の政治的戦略に寄与できるか、これこそが判断基準になるはずだ。