アフガン担当大統領特使が語る対テロ戦略と国際協調
2001年12月号
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ブッシュ政権は長期に及ぶであろう「対テロ戦争」をどう組み立てようとしているのか。以下は、十月中旬にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティング・プログラムにおける演説からの抜粋。
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2001年12月号
ブッシュ政権は長期に及ぶであろう「対テロ戦争」をどう組み立てようとしているのか。以下は、十月中旬にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティング・プログラムにおける演説からの抜粋。
2001年11月号
ブッシュ政権はテロという新たな世界規模の脅威に対する国際連帯を形成しようとするあまり、民主国家という連帯の相手に求められる資格を無視した動きに出るかもしれない。強権政治への逆コースをたどりつつあるロシア政府も、この対テロリズム連合に協力を表明した以上、アメリカに統治面でとやかく言われることもなくなるだろう。だが、対ロシア民主化支援を強化しないかぎり、アメリカの安全保障に将来大きな悪影響が出る。かつての宿敵の国境内に民主主義を根づかせるための努力をいまこそ再強化すべきである。
2001年11月号
アメリカに対する憎しみ、組織的な作戦を実行できるだけの資源、自らの命をも顧みないほどの狂信主義をテロリストが兼ね備えていれば、その帰結がいかに甚大なものになるかを、世界は目の当たりにした。そしていまやもっとも差し迫った脅威は、テロ集団が、トラック、貨物船、飛行機、小型船で核兵器や生物兵器攻撃をかけてくることである。脅威が出現する前に、それを抑え込む拡散防止などの「予防」戦略、相手に攻撃を思いとどまらせる「抑止」戦略、そして、予防と抑止が破られた場合に備えた「防衛」戦略という3つをバランスよく実施する必要があり、アメリカは米本土ミサイ防衛ばかりを重視したこれまでの防衛姿勢を大きく見直す必要がある。
2001年11月号
ビンラディンは、アメリカとイスラム世界の間にある縫い目に沿って、自分たちのための狭い空間、攻撃目標、そして支援基盤を見いだした。彼らは、イスラムの地が悲惨な状況にあるのはアメリカのせいで、祖国とアメリカの同盟関係を揺るがすことにさえ成功すれば、サウジアラビアやエジプトの政権を倒せると思い込んでいる。対テロ戦争を進めていくにつれて、アメリカは中東における孤立を思い知ることになろう。アラブ世界の支配者たちは、中東の見張り番をする外側の国と同盟関係を結べば、「共謀者」あるいは信仰上の裏切り者とみなす人々によって報復の対象とされることを理解している。今回の戦争は、アラブ・イスラム世界にアメリカがかかわり続ける限り、簡単な戦争とはなり得ない。
2001年11月号
同時多発テロから三日後の九月十四日にワシントンで開かれた米外交問題評議会ミーティング・プログラムの議事録からの抜粋。討論に参加したのは、一九九八年に組織された「二十一世紀国家安全保障委員会」の主要メンバー。二〇〇一年一月三十一日に公表された同委員会の最終リポートは米本土へのテロの脅威を今後の安全保障上の最優先課題として位置づけていた。(訳注)
2001年11月号
二〇〇一年十月二日、ニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティングプログラム議事録からの抜粋。
2001年10月号
エネルギーの効率利用のペースが石油資源の枯渇ペースを上回り続ければ、いずれ石油は低価格であっても市場で見向きもされない資源になる。効率利用によって節約される資源は、いまや国内エネルギー供給の5分の2に匹敵する規模に達しており、これこそ最も急速に拡大している「資源」である。石油価格を引き下げ、安定させることができるのは、唯一需要サイドでのエネルギー効率利用の促進だけだし、効率利用レベルをほんの少し引き上げるだけでそれは実現する。石油の供給を増やすのではなく、使用効率に重点を置いた需要管理措置とクリーンな代替エネルギー促進策を政策の基盤に据えるべきである。
2001年10月号
「近代化と西洋化」をめぐる長期にわたる議論は、「自らの固有の文明を汚さずにいかに近代化をはかるか」という、文明の「受容と拒絶」をめぐる判断についての議論にほかならない。だが、同時代における議論は、近代性が「それに先立つ文明の遺産を継承した」現代文明の規範・基準であることをとかく忘れがちだ。かつてはイスラムがそれを定義づけ、現在は西洋が、そしていずれ過去の諸文明の上に成り立つ西洋文明の遺産を継承するまだ見ぬ文明がそれを規定することになるだろう。
世界はエネルギー新時代に突入している。余剰エネルギーをいかに管理して売り払うかに腐心した時代は過ぎ去り、いまや増大するエネルギー需要を、地球環境保護策とのバランスに考慮しつつ満たしていかなければならない。この条件を満たすような資源・インフラ・技術開発に必要な投資をいかに取りまとめるかが課題なのだ。このリポートは、下院でエネルギー法案が通過し、上院での法案審議を控えた二〇〇一年九月上旬に発表されたエネルギーリポート(Strategic Energy Policy Update)の要約・抜粋で、二二八ページに掲載されている「二十一世紀の戦略的エネルギー政策の課題」のアップデート版である。全文はhttp://63.236.1.240/Public/publications/highlights/energy.htmlからアクセスできる。
2001年10月号
以下は二〇〇一年四月に、米外交問題評議会とライス大学付属ジェームズ・べーカー公共政策研究所が発表したエネルギー政策に関するタスクフォース・リポートからの抜粋(英語の全文http//www.cfr.org/Public/publications/taskforce.htmlからアクセスできる)。同評議会のタスクフォース・リポート発表からほぼ一カ月後に、ディック・チェイニー副大統領が議長を務めたブッシュ政権のタスクフォースが「国家エネルギー政策」を発表した。