在外米戦力・基地見直しの利点と弊害
――同盟国との入念な協議を心がけよ
2003年9月号
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現在ワシントンで検討されている戦力再編プロセスは、この半世紀におけるもっとも大がかりなアメリカの対外軍事姿勢、在外米軍基地分布の変化として具体化するだろう。
しかし、その意図を対外的に根気強く説明しない限り、諸外国におけるアメリカに対する不信と心配を高めてしまう。柔軟な軍事的対応能力の整備をめざす今回の戦力再編も、実際には、ワシントンの先制攻撃ドクトリンと軍事介入路線を基盤とする戦略を支えるためのもの、とみなされかねない。