1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

テーマに関する論文

外交における道徳的要因の増大
―道徳主義が主権を侵食する?

2003年6月号

レスリー・H・ゲルブ 米外交問題評議会会長
ジャスティン・A・ローゼンタール 同評議会役員室室長

道徳、価値、倫理、普遍的原則といった、かつては理想主義者や学者だけが唱えた一連の壮大な理念が、いまや外交の中枢に位置づけられつつある。特定国の政府や集団が、国内の民衆を殺戮しているような場合には、「道徳的価値が主権の制約を取り払い」、人道的介入が正統化される、とみなされだしている。
道徳的理念が国益を前にするとあっさりと無視された時代は過ぎ去り、理念と国益が競合するような時代へとわれわれは足を踏み入れている。

米外交問題評議会リポート
アメリカは中東和平を調停すべきか

2003年6月号

スピーカー マーチン・インディク  元駐イスラエル米大使
ダニエル・パイプス 中東フォーラム・ディレクター
司会 チャーリー・ローズ

論文は、五月二日にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティングの議事録からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

米外交問題評議会ディベート
誰が世界と国連を引き裂いているのか
―戦後イラクと米欧対立の深層

2003年6月号

マイケル・ドーラン  米外交問題評議会 中東担当準シニア・フェロー
ギデオン・ローズ フォーリン・アフェアーズ誌副編集長

戦後イラクにおいて、国連の大量破壊兵器(WMD)査察チームは任務を再開すべきなのか。支持と反対の論拠は何か。国連査察の再開の是非をめぐるマイケル・ドーラン(米外交問題評議会中東担当準シニア・フェロー)とギデオン・ローズ(フォーリン・アフェアーズ誌副編集長)の論争が浮き彫りにする「奇妙な国際環境」における権力政治の実態。

米外交問題評議会インタビュー
イラク再建に国連の政治的役割を

2003年5月号

エリック・シュワルツ 米外交問題評議会シニア・フェロー

以下はエリック・シュワルツ米外交問題評議会シニア・フェローへの戦後イラクに関するインタビューからの抜粋。シュワルツは現在、同評議会の戦後イラクに関するタスクフォースのディレクターを務めている。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

民主的なイラクをどう構築するか

2003年5月号

アディード・デウィシャ マイアミ大学政治学教授
カレン・デウィシャ マイアミ大学政治学教授

イラク民主化の試みが成功するか、失敗するかは、新制度をイラク固有の社会構成や特徴をうまく踏まえたものにできるかどうかに左右される。課題は、イラクの社会的・文化的なモザイクをうまく生かせるような政治体制を考案し、そうした多様性をいかに前向きの変化に向けた動力にできるかだ。連邦国家、政治制度、議会をどう設計し、民主的価値が受け入れられるような社会的基盤をどう育んでいくのか。

ブッシュ政権の危険な核不拡散政策

2003年4月号

ジョージ・パーコビッチ カーネギー国際平和財団副会長

ブッシュ政権の核拡散問題の「急進派」は、核兵器そのものが問題なのではなく、悪漢がそれを保有することが問題だと考えている。彼らは、今日の好漢が明日の悪漢になる危険があることも理解しており、「敵対勢力を抑止・打倒していくには、アメリカは膨大な核の兵器庫を維持し、改良していく必要がある」と主張している。
つまりブッシュ政権は、現実には、問題ありとみなす政権を次々に打倒し、一方で、大規模な核の兵器庫を着実に近代化させていく戦略をとっている。だが、核拡散の脅威は、ブッシュ政権のいう「悪の枢軸」国家によってだけでなく、核兵器や核関連物質の存在そのものによって生じていることを忘れてはならない。

石油の枢軸?―イラク戦争と米ロ関係の行方

2003年4月号

デビッド・G・ビクター 米外交問題評議会 準シニア・フェロー
ナデジャ・M・ビクター イエール大学 リサーチ・アソシエート

米ロ政府は、ロシアの石油輸出を拡大することに大きな共有利益を見いだしている。アメリカにとっては、石油の供給ラインを多角化できるし、ロシアにとって、それは歳入増と雇用創出を意味する。だが、アメリカがイラクを攻撃すれば、石油価格は急落し、逆に、モスクワとアメリカの立場の違いが際立つことになるだろう。
経済の大部分を原油の国際価格に依存しているロシアにとって、石油価格の下落は致命傷となりかねないからだ。むしろ、石油の使用効率の改善を促したり、原子力発電及び核廃棄物処理のための新技術を共同で開発したりすることが、米ロ双方にとってよほど大きな利益となるのではないか。

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