CFRインタビュー
拡大・激化するパキスタンの過激主義
2007年10月号

「パキスタンは軍人が支配する国から、元軍人が支配する国へと変貌しようとしており、ムシャラフ大統領が次の任期において軍服を身につけることはないはずだ。……逆説めいた言い方だが、今後も軍部がパキスタン社会の中枢勢力であり続けると考えられる以上、(軍の反発がなければ)政治体制の移行がかなり進むのではないかと思う」。パキスタンの政治改革の行方をこのように前向きに評価しつつも、いまやパキスタンは「タリバーン化」という現象に直面していると米外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハース会長は警告する。過激派とテロリストはすでにパキスタン西部と北西辺境州に深く根を下ろしている。心配なのは、パキスタンの中核である都市部へとこうした過激主義が拡大していることで、宗教施設「ラール・マスジード」での占拠事件や、最近におけるカラチでのテロ事件はその具体例だと指摘した同氏は、「パキスタンの現実は、かつてのイラクやアフガニスタンを想起させるものへとしだいに変化しつつある」とコメントした。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.org のコンサルティング・エディター)。