「航空機産業の技術開発と研究は経済に広くプラスの波及効果を与える。当然、中国側が航空機産業に参入したいと考えるのも無理はない。だが、現実的にみて、中国の航空機産業が、ユナイテッド・エアライン、ブリティッシュ・エアウェイズ、シンガポール・エアラインなどから生産を受注するような、われわれのライバルになるにはあと数十年はかかるだろう」。中国の航空機産業の今後についてこう指摘するボーイング社のジョン・ブルンズは、中国企業は、市場において重視されるブランドや信頼性をまだ確立できていないし、技術的な問題に対応し、自社の航空機を利用しているすべての国においてサポートインフラを確立していない。それには、長い時間がかかると言う。また、競争力のある航空機を生産するのに必要な技術レベルは、航空機のサイズが大きくなるほど高くなると指摘する同氏は、「国家の威信を重視すれば、中国は独力で航空機を生産し、世界にその成果を示したいと望むだろうが、商業的な成功を考えれば、海外企業と提携するのが得策だ。どちらを選ぶかは、中国がどのような動機で航空機を開発しているかに左右される」と語った。聞き手はリー・ハドソン・テスリク(www.cfr.org のアシスタント・エディター)。