Classic Selection
カストロ後のキューバ
2008年2月号
ポスト・カストロ体制の権力移行はすでにかなり進行している。いまや実権を握っているのは弟ラウルと6人の側近たちで、彼らはカストロがつくり上げた体制を維持することを最優先課題に据え、カストロの路線に従って、新政府を安定させ、日々の問題に対応し、キューバ独自の改革モデルを構築し、ラテンアメリカと国際社会における地位を維持し、予想されるアメリカの政策をうまくかわして管理しようと試みている。
しかし、すでにキューバが新たな時代へと足を踏み入れているというのに、ワシントンは、依然として民主化を求める体制変革路線を維持している。必要なのはキューバへの内政干渉を完全にやめて、2国間の危機管理と信頼醸成措置の導入を提案し、制裁を解除し、亡命キューバ人の路線と決別し、カストロ後のキューバに自分たちの道を選ぶ余地を与えることではないか。
(Classic Selection とは、現在の情勢を理解するうえで有益と思われる過去の掲載論文の再録です。本文の内容、及び著者の肩書きは掲載当時のものです)