アメリカの株式市場が下落し、世界中の主要株式市場も連鎖的に下落したことを受けて、専門家の多くは、2008年の金融危機はすでにパニックを引き起こしていると考えるようになった。大手プライベート・エクイティのカーライル・グループの創設者で、現在、マネージング・ディレクターを務めるデビッド・M・ルーベンシュタインは、パニックと恐怖を緩和するには、「なりふりかまわずに」あらゆる対策を打たなければならないと主張する。
米外交問題評議会(CFR)の役員でもあるルーベンシュタインは、現在起きている株式市場の暴落と信用収縮は金融危機の「氷山の一角」にすぎないと述べ、この数十年間にわたって世界経済を牽引してきた金融および経済の原動力の徹底的なオーバーホールが行われることになると今後を見通している。さらなる混乱を回避するには、政府とビジネスの指導者の協調、そして各国政府との協調が必要になると語る。
現在の混乱はプライベート・エクイティのビジネスにどのような影響を与えるのか。レバレッジ規制はプライベート・エクイティにとっても大きな問題となるとルーベンシュタインはみる。潤沢なキャッシュを手元に持ってはいても、ローンを組むことができなくなれば、プライベート・エクイティは、レバレッジを利用して企業を買収していく戦略を取ることができなくなり、生き残っていくには、どのようにビジネスモデルを変えていくかを考えていかなければならない、と。一方で同氏は、特定の段階になれば、千載一遇の投資チャンスをとらえようとする投資資金が流入し始め、企業が再生していくと考えられるとコメントした。聞き手は、リー・ハドソン・テスリク(www.cfr.orgのアソシエート・エディター)。