ビッグデータやモノのインターネットに象徴される情報テクノロジーの進化、ヒトゲノムの解読、そして合成生物学の進化はわれわれの社会や生活だけでなく、人間の生命観や価値観そのものを大きく変化させている。一方、資本主義民主体制は、少子高齢化による社会保障負担の重圧だけでなく、民主体制を支えてきた自由とプライバシーを蝕む監視社会・ビッグデータ権威主義の潜在的脅威にもさらされている。そして、利便性の高い情報技術の進化と拡散が一方で監視と抑圧のツールを作り出すなか、歴史や領土をめぐる古くからの確執が再燃している。現状は、技術によって急速に変化した価値に翻弄され、困惑する社会が、新しい国家構造と社会契約のアイデンティティを模索し、もがいているかにみえる。先端技術の進化と価値観の変貌、少子高齢化と資本主義民主国家体制の危機、歴史的確執の再燃、そして変化するグローバル経済は2014年の世界をどこへ導くのか。