レンズなしメガネのように見えるヘットギアから、ネット閲覧のできるスマートウォッチ、データ測定機能を備えた運動靴やスポーツウェアといった装着型デジタル機器の流行は、奥深い経済的・社会的な変化が進行していることを物語っている。モバイル対応型の「モノのインターネット」化は、人が身に付けるものにとどまらない。位置、活動、状態に関するデータを収集・電送する小型検出器は、すでに橋、トラック、心臓ペースメーカー、糖尿病患者用のインスリンポンプなど、ありとあらゆるものに組み込まれている。これが、主要産業の再編を促しているだけでなく、人間とコンピュータの境界をあいまいにしつつある。こうした変化が、暮らし・仕事のやり方に広く奥深い変革をもたらすのは疑いようがなく、その経済価値は、総額数兆ドルにも達すると考えられる。