イスラム国のアジアへの拡大
2014年11月号
東南アジア諸国がもっとも警戒しているのは、国内のイスラム教徒がイスラム国のイデオロギーに感化されて中東に渡り、イスラム国の一員として戦い、最終的にその過激思想をアジアに持ち帰ることだ。すでに、世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシア政府は、50人以上がシリアとイラクで戦闘に参加していることを確認している。マレーシアからは30―40人がイスラム国に参加しているとみられる。しかも実際の数はこれよりもはるかに多い可能性がある。なぜ彼らはイスラム国に魅了されるのか。一つには、イスラム国の活動に「終末のカリフの国」が誕生するというコーランの予言とのつながりを彼らが見いだしているからだ。「(黒い旗を掲げて戦うとされるイスラムの救世主)イマーム・マフディと(偽の預言者)ダッジャールの間で終末戦争」が起きるという予言に彼らは現実味を感じている。・・・・