クルド人の政治的連帯とトルコの未来
2015年11月号
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これまで長期にわたって、トルコのクルド人コミュニティは、政治的に分裂し、全国レベルの運動としてまとまりをもっていなかった。だがエルドアンが、イスラム国の攻勢にさらされるシリアのクルド人の窮状に「様子見」を決め込んだことが、トルコのクルド人の怒りを買い、政治的に連帯させた。いまやクルド人は政治的立場の違いよりも、民族を軸にまとまるようになり、その大多数が人民民主主義党(HDP)という一つの政党に投票するようになった。こうしてHDPはトルコ議会で3番目に大きな勢力に浮上し、クルド人はすでに政治的影響力を手に入れている。もはやトルコ政府も包括的な権利と政治への参加を求めるクルド人の要求を無視できなくなっている。問題は、エルドアンが自分のやり方を強要するという姿勢を崩していないことだ。