一帯一路が作り出した混乱
―― 誰も分からない「世紀のプロジェクト」の実像
2019年7月号
一帯一路(BRI)はうまく進展せず、現地での反発に遭遇している。一部の専門家が言うように、この構想は莫大なローンを相手国に抱え込ませ、中国の言いなりにならざるを得ない状況に陥れる「借金漬け外交」のツール、「略奪的融資」なのか。問題は、北京を含めて、BRIが何であるかを分かっているものが誰もいないことだ。中国政府が構想の定義を示したことは一度もなく、認可されたBRIの参加国リストを発表したこともない。このために民間の企業や投資家がこの曖昧な状況につけ込み、自らのプロジェクトを促進するためにBRIを自称し、これによって混乱が作り出され、反中感情が高まっている部分がある。中国内の機を見るに敏な日和見主義者たちが、この構想を自己顕示欲や立身出世のために利用し、それがグローバルな帰結を引き起こしている。・・・