1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

に関する論文

アジアの資本主義と文明の変容

2001年1月号

ウォルター・ラッセル・ミード
外交問題評議会シニア・フェロー

「非公式なやり方に依存して、膨大な資本を呼び込んだうえに、経済行動を拡大するためであれば収益への配慮を無視するような傲慢な姿勢が生まれたため、結局、流れ込んだのと同じ速さでアジアから資本が逃避してしまった」かつて「奇跡」を実現したのと同じ文化的価値が、どうして今は「大失敗」を招いているのか。アジア危機を経た世界は、「質素、勤勉、家族中心の価値観、権威への尊重」という美徳が、「強欲、硬直性、情実主義、あからさまな腐敗」といった悪徳へと変貌しうることを知っている。それでも、アジア的価値の優越性を唱え続け、アジア危機を契機として欧米批判の論陣を張る人物たちの真意は、どこにあるのか。

中国はデフォルトに陥るのか

2001年1月号

ウィリアム・ギャンブル  エマージング・マーケット・ストラテジーズ社プリンシパル

景気刺激策、軍事予算の拡大など、中国政府の歳出が増大しているにもかかわらず、歳入はますます先細りとなりつつある。中国では脱税行為が「制度化」されているために、税を負担することはむしろ危険な行為なのだ。
権限を持つ個人や集団が国家資源に寄生し、私腹を肥やし、社会を貧困化させる――これが今日の中国の姿なのだ。最終的に財政難が国庫を干上がらせ、国内の安定が大きく脅かされるばかりか、混乱は国外に波及するに違いない。

平和維持活動は紛争の近隣諸国に委ねよ

2000年12月号

マイケル・ハーシュ ニューズウィーク誌外交担当チーフ・コレスポンデント

人道的な介入の必要性は今後もなくならないが、アメリカも国連も世界の警察官にはなれない。アメリカにはその意思がなく、国連にはそうする能力がないからだ。
しかし、世界の警察官はいなくても、「地域的警察官」に国連が正統性を与えることで、問題に直接的な利害を有する地域諸国が地域的な平和維持に努力すれば、問題の多くを解決できるはずだ。
国連の承認をとりつけた地域的な警察官による取り締まりで、すべてではなくとも、世界における多くの残虐行為をやめさせることができる。

高官任命プロセスを簡素化せよ

2000年12月号

ノーマン・オルンスタイン アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所研究員   トーマス・ドナイロン 元米国務省広報担当次官補

政府高官の指名・承認プロセスはますます複雑化し、(承認までの)時間が長期化し、その結果、要職のポストの空白期間はより長く、集まる才能はより薄っぺらになりつつあり、そのぶん内政外交の統治が難しくなっている。外交と内政のリーダーシップの空白を少なくし、国益に対するダメージを抑え込むには、指名・承認プロセスの大幅な簡素化と議会による承認遅延行為をなくすことを目的とする政権移行改革をただちに法制化すべきである。

コンドリーザ・ライス、ブッシュを語る

2000年12月号

コンドリーザ・ライス  ジョージ・ブッシュ外交アドバイザー

ブッシュ政権が誕生した場合、国家安全保障問題大統領補佐官への就任がひろく取りざたされるコンドリーザ・ライスが語る、次期政権のNMD(米本土ミサイル防衛)、貿易政策、国連、人道介入へのアプローチ。新政権が、「対中強硬策」をとり、「平和維持活動を紛争近隣諸国に委ねる」とすれば、北東アジアでの紛争に日本はどのような対応を余儀なくされるのか。ブッシュの人柄と政策、そしてリーダーシップを浮き彫りにする外交問題評議会でのディベート。

入国管理というグローバル経済のジレンマ

2000年12月号

ステファン・E・フリン 外交問題評議会シニア・フェロー

グローバル経済の繁栄は、国境を越えた貿易の自由な流れを維持できるかどうかにかかっているが、グローバル経済を支える第3の支柱が安全で迅速な輸送・入管体制であること、そして貿易の自由な流れが一方でテロリズムや麻薬密輸などの新たな脅威を作り出していることにはあまり関心が払われていない。このジレンマを解決できるのは官民協調、国際協調型の入管・通関システムの構築を通じてのみである。

次期アメリカ大統領への助言

2000年11月号

アンドルー・J・グッドパスター   元アイゼンハワー大統領補佐官

政策の明快さなくして世論の支持を得るのは困難であり、また明快さを持たせるには、行動が必要とされる個々のケースをうまく説明する適切な政策概念が必要である。特殊利益政治や「CNN効果」などのために、今や目の前にある派手な問題ばかりが強調され、抜本的な重要性を持つ課題への対応が犠牲にされている。次期大統領は、長期的に重要な課題が短期的課題によって犠牲にされないように、議会と世論を相手に「明快さと一貫性」を備えた真のリーダーシップを発揮しなければならない。

ゴア副大統領とアメリカの外交政策

2000年11月号

レオン・ファース  国家安全保障問題担当副大統領補佐官

――以下は、二〇〇〇年九月二十日にワシントンで行われたミーティング・プログラムにおけるレオン・ファース国家安全保障問題担当副大統領補佐官のスピーチ「外交政策への関与:ゴア副大統領とアメリカの外交政策」の議事録である。司会はリー・カラム(外交問題評議会役員・コラムニスト)。

Page Top