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に関する論文

テロリストと外相
――ドイツ左翼の系譜と歴史の正常化

2001年12月号

アンドレイ・S・マルコビッツ ミシガン大学政治学教授

今日のドイツ人を前世代のドイツ人や現在における他のヨーロッパ人の多くとは違う存在にしているのは何か。それは、「血か領土」ではなく、リベラルな価値観に忠誠を誓うハーバーマスの「立憲的愛国主義」の概念を定着させた、六八年世代の左翼活動家に負うところが大きい。「ドイツ文化の西側化、そして過去の歴史と政治の正常化」という20世紀ドイツの2つの遺産を作り上げたのは既存の体制を徹底的に批判し、文化と政治の価値観を一変させた60年代の左翼活動家たち、とくに左翼の西側協調派の貢献である。68年世代左翼のさまざまな人生と遺産は、21世紀ドイツに何を伝えるのか。

「保護」から「帰還」への道筋を

2001年12月号

ルドルフス・ルベルス 国連難民高等弁務官

最大規模の難民が出ているのがアフガニスタンだ。以下は十月中旬にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたルドルフス・ルベルス国連難民高等弁務官の演説・質疑応答の要約。

アメリカはなぜ憎まれる

2001年12月号

ケニース・M・ポラック  米外交問題評議会国家安全保障担当シニア・フェロー

米国でもテロの背景にある反米主義のルーツを探る動きが進んでいる。以下は、米外交問題評議会がテロ事件後に組織した「テロリズムに関するタスクフォース」での研究会報告の抜粋。タスクフォースには、シャリカシュビリ元統合参謀本部議長、ブラウン前国防長官、ルービン前財務長官、アジャミー・ジョンズ・ホプキンス大学教授、ナイ・ハーバード大学教授、ウェブスター元CIAおよびFBI長官、ウィールジー元CIA長官、ジョージ・ソロスらが参加している。

中国のWTO加盟と米中関係の行方

2001年12月号

タスクフォース議長 ロバート・D・ホーマッツ ゴールドマン・サックス&カンパニー副会長、 プロジェクト・ディレクター エリザベス・エコノミー 米外交問題評議会中国研究プログラムシニア・フェロー 、ケビン・ニーラー 国際政策フォーラム上級研究員

以下は、二〇〇一年十月に発表された米外交問題評議会のタスクフォース・リポートからの抜粋。

対テロ米ロ同盟とロシアの民主主義

2001年11月号

ティモシー・J・コルトン ハーバード大学政治学教授  マイケル・マクファール  スタンフォード大学政治学準教授

ブッシュ政権はテロという新たな世界規模の脅威に対する国際連帯を形成しようとするあまり、民主国家という連帯の相手に求められる資格を無視した動きに出るかもしれない。強権政治への逆コースをたどりつつあるロシア政府も、この対テロリズム連合に協力を表明した以上、アメリカに統治面でとやかく言われることもなくなるだろう。だが、対ロシア民主化支援を強化しないかぎり、アメリカの安全保障に将来大きな悪影響が出る。かつての宿敵の国境内に民主主義を根づかせるための努力をいまこそ再強化すべきである。

次なる攻撃に備えよ

2001年11月号

ウィリアム・J・ペリー  元米国防長官

アメリカに対する憎しみ、組織的な作戦を実行できるだけの資源、自らの命をも顧みないほどの狂信主義をテロリストが兼ね備えていれば、その帰結がいかに甚大なものになるかを、世界は目の当たりにした。そしていまやもっとも差し迫った脅威は、テロ集団が、トラック、貨物船、飛行機、小型船で核兵器や生物兵器攻撃をかけてくることである。脅威が出現する前に、それを抑え込む拡散防止などの「予防」戦略、相手に攻撃を思いとどまらせる「抑止」戦略、そして、予防と抑止が破られた場合に備えた「防衛」戦略という3つをバランスよく実施する必要があり、アメリカは米本土ミサイ防衛ばかりを重視したこれまでの防衛姿勢を大きく見直す必要がある。

中東世界でのアメリカの孤独

2001年11月号

フォアド・アジャミー/ジョンズ・ホプキンス大学教授

ビンラディンは、アメリカとイスラム世界の間にある縫い目に沿って、自分たちのための狭い空間、攻撃目標、そして支援基盤を見いだした。彼らは、イスラムの地が悲惨な状況にあるのはアメリカのせいで、祖国とアメリカの同盟関係を揺るがすことにさえ成功すれば、サウジアラビアやエジプトの政権を倒せると思い込んでいる。対テロ戦争を進めていくにつれて、アメリカは中東における孤立を思い知ることになろう。アラブ世界の支配者たちは、中東の見張り番をする外側の国と同盟関係を結べば、「共謀者」あるいは信仰上の裏切り者とみなす人々によって報復の対象とされることを理解している。今回の戦争は、アラブ・イスラム世界にアメリカがかかわり続ける限り、簡単な戦争とはなり得ない。

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